2012年9月9日日曜日

昨日

制作は充実している。
みんな、とても良い表情で描き、話し、笑っている。

昨日は東洋英和の学生さんが見学。
とても素直で熱心に学ぶ姿勢を持っている。
後でもらったメールを読むと、しっかり見て、考えて、受け止めてくれているな、
と感じる。
この場に来たことが人生で意味を持ってくれると嬉しい。

学ぼうとする人はなるべく受け入れたい。
彼ら、彼女らが社会に出た時、その意味が大きくなる。

志ある人を育てることにこそ意味がある。

1人でも多くの人に知ってほしい。感じて欲しい。

ダウン症の人たちの本当の世界の素晴らしさ。
実際に見聞きしている人や、身近で知っている人にも伝えたい。
もっともっと奥があるということを。

彼らが何を見ているのか、どんな風に感じているのか。
場に入ることは、僕にとっては彼らと同化することに近い。

作品をよく見て欲しい。
こんな絵が日々生まれる場はそうそう存在しないはずだ。

作品を通して世界と触れる。場を通じて世界とつながる。
今まで生きて来た世界の見え方が変わってくる。

ここにいること。誰かといること。
目の前にあるすべて。
奇跡のように豊な世界にいることに気がつく。
空もどこまでも深い。海もどこまでもどこまでも深い。
深い深い場所に僕らはいる。みんなはいる。

彼らから見えてくるのは、僕達の内面にある、世界とのつながり。

そんな認識に立った時、私達はもっとやさしく人と関われるだろう。
もっとすべてを大切に出来るだろう。
もっと平和に、協力し合える方法を模索し始めるだろう。

そのためのきっかけとなる場を創っていきたい。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。