2012年11月27日火曜日

川の音など

来客者がちらほら。
色んなお話をする。
絵のこと、教育のこと、福祉のこと。
今の社会でおきていること。

この場所が何か良いものを持っていてくれて、
それが世の中に広まっていく事が出来れば。

たった1人の人でも、人に会って伝える事は大切だ。

急に寒くなったので悠太の機嫌が悪く、よし子から一時も離れない。
睡眠不足も続いているので、なるべく早く休みをとって交代してあげたい。

しかも、今年のAEPニュースがギリギリの時間にきている。

日曜日の午前のクラスで、
なおちゃんが「しゅうへい君としんじ君ってケンカばっかりしてますね」
と言う。(本当は名字で言っていたが、僕は名前で書くので直しました。)
そういうなおちゃんも2人を知り尽くしてるなあと思う。
その午後のクラスでしゅうちゃんとしんじ君は、
相変らずの掛け合いを楽しんでいた。
勿論、これはケンカではなくて、遊んでいるのだけど。
まさしくなんでも言い合える関係だ。
ちょっと見ただけだと、しゅうちゃんの方が優位にたっているようだが、
実際はしんじ君も言いたい事をいったり、
しゅうちゃんに何かを言わせようとじゃれたりしている。
実はしゅうちゃんの方が気をつかっている。

ハルコ、アキの関係もそうだ。
こちらは仲良く、言い合うような場面もないけど。
2人で話し合っているのを聞いていると、アキの意見の方が強いのかなと思っても、
結局、最終的にいつもハルコの意見に決まっていくようだ。
2人とも、お互いを良く知っていて配慮している。

修ちゃん、しんじや、ハルコ、アキのような、関係はうらやましいくらい素敵だ。

その日のしんじの制作も凄かった。
描いている時の孤高の雰囲気は、その場面を見た事のない人には想像出来ないと思う。
彼の普段の姿からも分からないだろう。
それ位、作品に向かうときの彼は別人のようだ。

てる君にしても、ゆうすけ君にしてもそうだけでど、
この凄みは普通の人には全く知られていない類いのものだ。

だからといって見せるということではないが。

この前、雨が降っていてずっと曇っていたのが、
急に日が射して来て明るくなった。
その時間は全員が同時に外に注目していたのだけど、
みんなとアトリエ自体がフッと輝くような感じだった。
ハルコ「パパ、お空からアイロンかけてるね。」

この前、川の音のことを書いたら、それからしばらくかつて聴いていた、
その川の音が聴こえてくる。

てる君の作品に「かわのさかなのやまのぼり」というのがある。
作品もタイトルもてる君の自由で透明な空気を伝えてくる。
こういうのは説明したり分析したりしない方がいいなあ。
でも、この透明感は川の水みたいだ。

久しぶりにまた夢をみた。
僕はたくさんの子供達と遊んでいる。
子供の合宿のような感じで、僕は子供達をみる役割のようだ。
いつものようにただ、子供達と遊んでいるだけなのだが、
僕の意志を直接伝える事はない。
一人リーダーの少年がいて、
彼に何かを伝えれば他の子供達に伝わるようになっている。
でも、僕がその少年に何かを言う必要はない。
その少年と僕は特別な関係のようで、僕が思った事はすべて、彼には分かるのだ。
少年はとてもやさしく、大人のように振舞うのに純粋で汚れがない。
彼といると彼の方が僕を擁護しているように感じる。
懐かしいのに実際にはあった事がない。
夢の中では完全に知っているのに、会った事がない少年。
唯一登場するおじさんが僕に、
「あの少年は変わっているねえ。あんなに賢いのに純粋さを持ち続けている。」
と語りかける。
寝ているときか、うっすら起きたときかに、
もう子供達がいなくなった後で僕は考え続けていた。
あの少年は誰だろう。あ、あれは多分、悠太だ。
だからあんなに懐かしい感じがしたんだ。

さっき、てる君のお母さんから電話があった。
お休みの連絡だったのだけど、
てる君がよし子さんと佐久間さんが元気か聞いて欲しいと言っているという。
本当にやさしさとか、相手を思う気持ちってこういう事だなあと思う。
小さなことだけど、これだけで伝わることがたくさんある。
そして、それはどんなにささやかでも、大きな出来事よりはるかに価値がある。

今日はよく晴れた。
コンクリートに落ち葉がいっぱい。
紅葉した葉っぱや緑の葉っぱが風でゆれている。

ハルコ「アキ、てんぷらみたい」
アキ 「ににがー」(なにがー)
ハルコ「アキ、こえか」(こえが)
アキ 「にーー」
ハルコ「アキたべたーい」 

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。