2013年2月15日金曜日

三重に行ってました。

さてさて、東京に帰ってきました。
まず真っ先にブログを書いています。
僕はこのページを結構大事にしているので。

まずは三重での展覧会のことを書きます。
お時間がある方は是非ご覧下さい。
これまでの展示とはまた違った新しい構成になっています。
自分が展示に関わらなかった時は客観的に見ることが出来るので、
こちらも勉強になるし、新鮮に絵に感動する。
身近な人間が良いとか悪いとか言うべきではないが、
今回の様に僕自身は関わっていない時は、本当にお客さんとして見えるので、
やっぱり凄いなあと書きたくなる。
ご覧いただけると分かるのだけど、
特に一階の図書室の部分にある、大きな作品3点は群をぬいている。
図書室側から上を見上げると展示室の階の大きな作品も見えるようになっている。
四角がいっぱいの作品、圧倒される。

あの大きな作品達はこれまでのアトリエでなかったものなので、
多くの方々に見ていただきたい。

今回、三重では今後のダウンズタウンに向けての様々な要素を考えた。
今後、またご報告出来る時が来ると思います。

それにしても三重のアトリエのある場所はとても良い場所だと実感する。
あの静けさは何ものにも代え難い。
作家たちの持つ世界や文化に最も適した環境だと思う。
あそこの場所を選んだことということが、
肇さんと敬子さんの人間性だし、思想でも哲学であるとも言える。
こういうところで身内を褒めることはしない方がよいと思っている。
でも、今回だけはおおめにみていただきたい。
肇さんも敬子さんもそういう意味でやっぱり、良い意味で芸術家だと思う。
僕にはそういう部分がないので尊敬する。

ところでこれもどうしても私的な話になってしまって申し訳ないが、
僕にとっては久しぶりのゆうたとの時間だった。
本当に幸せなときだった。
よし子の喘息が出てしまっていてそれが、見ていて辛い。
今回は少しきつい感じなのでそれだけが心配だ。

ゆうたといる時間は特別なものだ。
すべての瞬間が記憶に残っていくし、
僕がこれまで経験してきたどんな出来事とも違っている。
人や状況と一体となることはかなりしてきたのだけど、
ゆうたと一緒になっている時は、本当に深く本当に柔らかい。
世界の感じ方がすべてやさしくなっていて、
包み込まれていくような感覚だ。

夜、ゆうたを抱いて外へ出た。
星が奇麗なので、凄いなあと思って見上げると、
ゆうたもじっと空を見ている。
上を指差して「あー」「あー」と僕に教えてくれる。
星を見ているゆうたの目が忘れられない。

お風呂に入りにいって、外のデッキのところでゆうたを肩車した。
2人で見た英虞湾の景色。

それから、やっと歩くようになった。
練習して待っていてくれたかの様に、歩いてくれた。
お風呂を出てよし子達を待っている時間。
ゆうたが急に歩き出した。
それからは毎日、みんなに歩く姿を見せて微笑んでいる。

かわいい。本当にかわいい。

ゆうたが与えてくれるものに対して、僕はゆうたに何があげられるのだろうか。

良く晴れた日。
暖かくて、太陽がいっぱいで、静かな時間だった。
ゆうたを抱っこしたまま、犬の水を汲んでいた。
水道に向かって斜めからの景色がぱっと見えた。
それは抱っこされているゆうたから見える景色だった。
水がきれいで、葉っぱの濃い緑と、空の深い青と、日の光が輝いていた。
どこまでも広い世界に、あたたかくやさしい時間があった。
始まりも終わりもないような永遠の中にいるような気分。
僕とゆうたの前に水が流れていた。
僕はゆうたの目で世界を見ていた。

東京へ帰ってくる電車の中で、
たくさんの情景が何度も何度も蘇ってくる。

たくさんのものを与えられている。

明日は土曜日クラスだ。
見学もある。
三重での良い時間が教室に宿ってくれるようにしたい。
良い経験が良い場につながる。

東京のアトリエも訪れる人みんなの故郷のような場所にしていきたい。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。