2013年6月17日月曜日

挑戦

今、買い物でスーパーへ行った帰り、自転車で走っていると、
月が奇麗に半分に割れて光っていた。

今日も蒸し暑かった。体力が消耗する季節。

今週は色々と打ち合わせが入っている。

今日の午前も来年の展示に向けての打ち合わせだった。
今回は学芸員の方が本当にアトリエに深い理解と共感をよせて下さっていて、
そういう意味では安心してお任せ出来る。
同じ意識でお仕事を出来ることは本当に嬉しい。
有り難い。
佐久間のことも分不相応なほど、高くかって下さっていて申し訳ない。
何とかご期待にはお応えしたい。

そんなこともあり、僕も人前に立って表でお話しする場面が増えてきそうだ。

どうなることやら、とも思うけれど、
自分を追い込んだり、自分に無理をさせたりするのはけっこう好きだ。

こうしてアトリエを続けていて、本当に嬉しいのは、
社会的責任を共有出来る方と出会うことだ。
一緒に良いことを目指して行ける、それが素晴らしい。
でも、案外こういう出会いは少ない。
ほとんどは無理解や誤解にさらされることの方が多い。

一生懸命、誰かだけでなくみんなのためと思ってやっているけれど、
理解されないことも多い。

僕達の活動は自覚を持って、選択して、一緒にやろう、
と思ってくれた方々と進めている。
僕達は自分で考える力を持った大人であるはずだ。
一緒にすすめる以上は覚悟と責任を持って、協力し合うべきだ。
ここは宗教ではないし、何かを強制させる場でもない。
沢山の選択肢の中から、この場を良しとして選んで下さっている方が、
集まっているはずだ。
勧誘もしないし、それぞれの考え方を否定する気もない。
厳しい言い方かも知れないが、アトリエを良いと思わないのであれば、
他へ行けば良いことだ。
自立した個人が同じ思いで協力し合っているはずだ。
アトリエを自分の思う方向に引き寄せたいと思ってしまう人達は、
もう一度このことを考えてみて欲しい。

障害のある人達も苦労して頑張ってます、
みたいなストーリーが欲しくて来る人も相変わらずいるけれど、
ここにはそんな物語はない。
欲しければ、他へ行っていただきたい。
何度か書いたけれど、そのストーリーそのままを供給している団体があるのだから。
僕達はないものを無理矢理提供はしない。
事実をいじって欲しくはない。

かつて、学生時代のよし子は様々な施設を研修して回っていた。
どこへ行っても、こんなんじゃないという不満を持っていた。
僕自身もずっとお世話になっていた共同体へ強い反発をいだいていた。
もっとこうしたい、もっとこうあるべきだ、と。
僕達はもし自分達が責任をもって場を創る時は、
もっと明るく楽しい場所にして行きたいと考えてきた。
そして、そんな場が実現出来ることは、この10数年で証明したと思っている。
この場を見に来てくれた方々はみんなそのように感じてくれた。

大切にしているものの種類が違う場合はあるだろう。
文房具屋で洗濯機が買えないのは当然ではないだろうか。

それでも、こうして応援してくれる人や支えて下さる方がいる。
近くにいる人達も、遠くにいる人達も、みんなの気持ちを受けて続けている。
有り難いなあと、いつも感じながら。

今週の土、日曜日も、場に入りながら、
今日も託されて、身体もこころも動いてくれて、
みんなと創って行けることが嬉しくて仕方なかった。
今週は流れも凄かった。
作品と言う結果だけで見ると、もっともっと良い時もあるのだけど、
流れ方、プロセスに凄みがあった。
こちらもグングン呑まれて行くようで、めまぐるしく場面が変わって、
クラクラするくらいだった。でも、当然楽しい。
目を閉じると、色彩や線がわーっと動き出して溢れて来る。

このブログも熱心に読んで下さる方達がいて、
しばらくお休みすると、心配していただいたり。

それから、時に切ないさや悲しさのある内容で書くと、
大丈夫ですかとか、一人暮らしで寂しいでしょうとか、お声もかけていただく。
ご心配なくです。僕はタフです。体力、気力だけがとりえなので。

思えば悲しさ切なさは自分の人生観なのかもしれない。
いつでもそれを感じているし、でも、だからこそ、
優しく丁寧に関わって行きたいし、すべての瞬間を慈しみたいと思っている。

良い環境を創って行くための条件は、大切にする気持ちと、
瞬間に対する集中力だと思うが、
それらは、この場は一回限り、もう2度とないという自覚から来る。

僕は自分に逃げ道を造りたくないし、いつでも明日がないという状況で、
全力で生きていたいと思う。

分からないからこそ、進んで行きたいし、
難しいからこそ挑戦する。
楽とか簡単にはいっさい興味はない。

どうなるか分からないから面白いし、
みんなで協力し合って良くして行く喜びがある。

挑戦する勇気を忘れないことだと思う。

まずは夏の三重合宿、みんなで良い場にしようね。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。