2014年2月14日金曜日

このごろ

前回の更新から一週間くらいでしょうか。
東京アトリエはお客様も多く、
打ち合わせや顔合わせでお会いする方も多いです。

寒いですね。明日はまた雪のようです。

引き継ぎもあるので現場に集中しています。
スタッフ育成は本当に根気のいる作業です。
なかなか難しいものですが、必ず良い方向へ行きたいと思います。

とにかく注意力、集中力、そして体力と気力だけでしょう。
すべての瞬間に今の自分が思っているより、
遥かに気をつける必要があると気がついてくれると良いのですが。
こればっかりは構えの問題なので、こうしろという訳にもいかないです。
僕自身が見せて行く他ありません。

こちらにも忍耐が必要ですし、一人でやっているより断然エネルギーを使います。
それでも、少しづつ出来て来るというか、場に合って来るというのが面白いです。
諦めなければ理想の場にピッタリとはまるようになるでしょう。

ゆうたが楽しそうで、笑顔いっぱいの写真を見たり、
電話で話したりしていると、よしこ達には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
三重で肇さん敬子さんもいて、家族の愛情を受けて、成長しています。

先日はきくちゃんが東京のアトリエまで来てくれました。
彼女は三重への移住を決めてくれていて、今後の活動に不可欠な人材です。
仲間がまた一人増えて心強いです。

東京アトリエもこれまで何度か変化の時期がありました。
この機会にこれまでのことを見つめ直して、今後に向かおうと思っていますが、
何よりもいい場が維持出来ていることを嬉しく思っています。
作品の価値や彼らの文化は今後ももっともっと発信していくつもりです。
それ以上に大切ですべての原点にあるのはやっぱり現場です。
一回、一回の教室、ここにすべてがあるのです。

作家たちが良い作品を創り続けること、
そして自分の本来のリズムで瞬間に立ち向かうという時間。
これが本当に大切なのです。
ただ一度の教室も疎かにはできません。
何気ない自然な時間ですが、それらが養分となって基礎を作って行くのですから。
だから最も良いタイミングで、良い記憶を刻んだ状態で毎回終了している訳です。
これが一人一人の作品数の違いであり、制作時間の違いの理由なのです。
絶えず、次に繋がっているのです。
「そんなに焦らなくていいよ。どうしたの?」
「もっといっぱい描くように言われたから」
「大丈夫。その一枚を丁寧に描いて」
そんな会話が出る時があります。
逆にいつもの勢いがない時、あれどうしたのかな?と思っていると、
みんなみたいに画面を埋めるように言われてきたとか、
もっと丁寧に描くように言われてきた、ということもあります。

僕達はこの時間の中でなるべくそういう影響や制限を外して行くようにしています。
2枚描いて、もっとという時でも、次の一枚が乗り切らなかった記憶に繋がるよりは、
そのくらいにしとけば、とアドバイスする時もあります。
逆に今日はこれくらいと本人が言っても未消化だなと感じれば、
もう一枚だけ描いてみない?と聞いたりします。
一番良い時を刻んで行って欲しいからです。

そして場自体も少しづつ育って行きます。
色んな困難に直面してきましたが、今のアトリエは10年前より確実に良いです。
場の雰囲気も作品の質も。もっと言えば3年前より、今の方が良いと思います。
日々、改善してきたからこそです。

こうしたことは作家たち一人一人の中に残って行きます。
当然、スタッフ達の中にも。

オリンピックには感動を貰っていますが、今年は難しいですね。
今のところ、一番素敵だったのはモーグルの村上愛子選手でしょうか。
凄いな、と思います。

気がつくとバレンタインですね。
あれ、今日ってそうだったっけというのが最近です。
実はこんな僕でもある時期はとんでもないことになってました。
全然自慢ではなくて、大量すぎて、困っていました。
東京に出てきてからはめっきりそんなこともなくなってほっとしています。
これも負け惜しみではなくて本当に。
これを言うと神経質と思われるので嫌なのですが、
僕は人から何かを貰ったりしてもらったりするのが苦手です。
今ではかなり克服しましたが。
もらったり、してもらったりすると確かに嬉しいのですがストレスになっていました。
理由は2つあって、一つは人に負担をかけたくない気持ちが強すぎること、
もう一つは感情表現が上手く出来ないことです。
誤解されるのでもう一度言うと、かなり克服したので今はそれほどでもないです。
昔は、人に貰うと喜びを伝えなきゃというのがストレスになっていました。
感情を表に出すのが苦手で上手くいかないことが多かったです。
自分の為に時間を使わせていると感じるだけでもストレスだった時期あります。
そんな状況が重なるうちに、どんどん貰うのが嫌になって、
だからクリスマスとか誕生日とかそういう記念日は全部すきじゃなかったです。
そういう日は何にもない普通の一日で終わってくれればと願って過ごしました。
人に何かあげる時でもお返しされないように、何でもない日を選んでいました。
貰い過ぎて逃げていたのだから罰が当たります。
素直じゃなかったと反省しています。

今回は書く予定になかったことを付け加えてしまいました。

そういえば佐村高地守氏、衝撃的でしたね。
現代にこんなことあるのですね。
ただ、僕はこの件は、
多くの人が思っているより複雑な問題をはらんでいると考えています。
それこそ障害や福祉、芸術、真贋の問題やら、創作の問題、メディアの問題。
当然、良い悪いで言ったら嘘なのだから悪いですが、
もっと一筋縄ではいかない多くの問題が含まれていると思います。
このことは大きく捉えれば、
例えばアウトサイダーアートとかの議論とも関係してきます。
改めて考えてみるかもしれませんが、
髙橋大輔選手が問題の曲を使ってどんな演技を見せてくれるでしょうか。

ただ、曲に関してだけ一言書くと、
ピアノソナタ2番なんて曲を聴いてみると、
ゴーストライターの新垣さんという人は凄い才能をもった、
よっぽどの人なのだろうと感じることは確かです。
複雑ですね。

本物が大切にされるシンプルな状態にどうやったらいけるのでしょうか。
難しくても真っすぐに進む道を模索して行きたいものです。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。