2014年3月17日月曜日

始まりの季節

春ですね。

今月中に予定していたいくつかのことは間に合わなかった。
来週は三重に行く。
少しづつバランスを考えて東京での仕事もしっり責任を持って行きたい。

暖かいですね。
やさしい光とふわっとした感じの景色がひろがっていて、春を感じる。
ぼやっとした夢の中にいるような感じ。

作家たちも同じで、女子は恋愛や結婚の話題だし、
男子は夢や不思議な世界の話になる。

てる君は夢の話をずっとしていた。
思い出しているというより今目の前に見ているように。
夢を語りながら夢の中にいるような気配。
絵にも描いていて、真ん中に黄色い箱があって鍵が閉まっている。
でも箱自体は強く子固定されていないようでぼんやりしたやわらかい形だ。
箱の中にはお化けやネズミが閉じ込められていると言う。
鍵は閉まっているけれど、周りにはすでにお化けやネズミが出て来ている。
奥の方には魂がいるという。
一応は箱の中に入っているけれど、ある程度の行き来があるというような表現。
その淡い感じと透明感がてる君らしい。
すぐる君は不思議な世界の入り口を描く。
入り口のドアがこれも黄色だ。
中へ入ると不思議の世界がずっと続いている。
3つの穴やトンネルや地下鉄を使ってもこの世界へ入ることができる。
何処から入っても同じ不思議な世界に行くそうだ。
そして出口から出ると桜の木があって女性が手招きしているという。

土曜日のクラスの一人はもう一人の自分が違う場所で生活していると言っていた。
彼は、と時々言って説明してくれる。
ずっと聞いているとどっちがどっちなのか分からなくなる。
今はどっちの人生を生きてるの?と聞くと、同時だよと答える。

現実のむこう側にあるものとか、見えるのもの奥にある気配とか、
何かと何かの間にあるものとか、
そういった次元に対して敏感になる季節なのかも知れない。

こころが柔らかくも脆くもなり易い季節でもあり、
不調になる場合も多いのだけれど、そういう意味で良い部分もある。
凝り固まったこころが少し柔らかくなったり、流れが生まれたりもする。

もう一人の自分である彼や、不思議な世界のドアや、
ネズミやお化けや魂が入っている箱と鍵が意識に上って来る時期だ。
すぐる君の言う出口にあるという桜の木が印象的だ。

今年も桜が咲いてあの鮮やかな色を見せてくれるだろう。
ぱーっと咲いて、風に舞って散って行く景色。

やっぱり一年は春から始まるという感じが強い。
これからへ向けて動き出そう。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。