2014年4月21日月曜日

しょう君

作家達はダイレクトに深い部分に入っていく。
普通なら多くのプロセスを経ていくところを、ぱっと瞬間に触れていく。

そんな彼らでさえ、更なる深みへと、更なる高みへと進む時には、
恐れも躊躇もある。
軽く逃げてみたり、誤摩化してみたり。

一緒にその場面に立ち会うスタッフは女房役のようなもの。
相手の性質や強さや弱さを知っていて、共にしていなければ出来ない。
おだてたりなだめたり、時に尻を叩いたり。
そして、良い仕事をしてもらう。
この場合、良い作品が結果として生まれて来る。

色んなタイプの作家がいる。
根底の部分では共通する部分の方が多いが、
表面に現れるスタイルは一人一人異なっている。

しんじ君やゆうすけ君は代表的な形を持っている。
いつでも真っすぐ、逃げも隠れもせず、突き進んでいく。
力強く純粋だ。
見ていてほれぼれするが、一方でしょう君のような在り方も素晴らしい。
自分から逃げ回る時もあり、誤摩化したりもある。
ぶつぶつ、ぶつぶつ言って、いつになったら本気になるだろう、
と思いながらも見ていると、最後の最後に凄いところを見せて来る。
あきれているとはっとさせて来たり。
こちらは惚れ直すというやつだ。

僕自身も、だらしないし、しょうもない人間だけど、
大事なところでは凄みが出る位の仕事をしていけるようになりたい。


書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。