2015年3月6日金曜日

三寒四温

まだまだ寒い日は寒い。

水曜日はあたたかくて気持ち良かった。
あの幻のような景色。

最近も振り向くと月に照らされている。

この時期に体調を崩す人も多い。
僕も鼻炎と目の腫れがようやく治まりつつある。
今年はしんどいなあ。

アトリエへ寄せられる沢山のメッセージに、
皆さんの思いを強く感じる。

僕には一生懸命に場に挑むことしか出来ない。

みんなの願い、みんなの思いがなぞられるように、大切な時を刻みたい。

僕個人の状態で言えば、
上手い下手とか技術的な部分、感覚的な部分は毎度言うが衰えている。
一番良い時の状態とは程遠い。
ただ、場の本当の意味を分かって来ているのはむしろ今だ。

そして増々、自分の力を離れて、これまで与えられ、教えられて来たことや、
たくさんの人や瞬間が、僕を動かしている。
忠実にただ動かされていれば良いという風になって来ている。

無数の声が同時に聴こえ、無数の波が折り重なっている。

このあるべき場所にすべてがあるという感覚に安らぎを覚える。

僕らが場の中で教えられて来たことで大切なことがある。
様々な状況にある人と一緒に生きて来たけど、
そして人生は辛いことや悲しいことにみちているけれど、
もっと深いところでは大丈夫なのだ、という実感だ。
もし、この深いところではすべて大丈夫だ、
という実感を例えその時だけでも共有出来るなら、
それこそが最高の現場だと言える。

今の世の中だって救い様の無いような現実が日々、繰り返されている。

出会いも別れも、それにとんでもなく不条理なこともある。
少なくとも僕は慰めで解決しようとは思わない。
色んなことを諦めてこの場にいる人もいる。
僕自身もたくさんのことを諦めざるえなかった。
道なかばで倒れた人達や、絶望の先が見えなかった人達もいた。
どんな人のことも決して忘れない。
そのとき出来ることは全部やって、やり残しの無いようにして来た。
それでも、あれで良かったのか、もっと他になかったのか、
という気持ちはある。
でもどこかで、もっともっと深い場所ではみんな大丈夫だ、
ということがふっと分かる時がある。

場の中で何故深いところまで行きたいか、というとそういうことだ。

深いところでは今もみんなが繋がっている。
大丈夫な場所がある。そこでは、すべてがあるべき場所にある。
全部がこれで良かったのだと、これで良いのだね、と思える。
そんな場所が一人一人のこころの奥にある。

いつでも僕達はそこに気づくことが出来るはずだ。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。